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ラピッドプロトタイピングツールの比較(Arduino vs Raspberry Pi)

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澤 規仁

素早く試作品を製作することをラピッドプロトタイピングといいます。 さまざまなセンサーからの信号を受け取って周囲の環境を感知したり、光やモーターなどのアクチュエーター(駆動装置)を使って現実環境における様々な「モノ」を動かしたり、そんなラピッドプロトタイピングを実現するためのマイコンボードに、ArduinoやRaspberry Piがあります。最近ではtesselやintel Edisonなど、 Arduino、mbed、Raspberry Pi以外にも、さまざまな製品が登場しています。

どれも所詮プロトタイピング用でしょ?と思われがちですが、一昔前のPCよりもよっぽど性能も品質も良いものです。電子回路の大量生産で利用するには高すぎますが、少量生産でソフトウェアカスタマイズできることを前提としたものであれば、十分に商用利用できるものと思われます。今どき、ほとんどの場合ハードウェアよりもソフトウェア開発費の方が高いのですから。

そんななかでも、弊社が特に注目している製品を比較してみたいと思います。

Arduino(アルドゥイーノ/アールディーノ)

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ArduinoはマイコンボードとIDE(統合開発環境)のセットです。いままでマイコンにプログラムを書き込むにはコンピュータやプログラム言語の知識が、とても必要だったり、開発環境となるソフトウェアが高額だったりで、手を出しづらかったところを一気に敷居を下げた立役者です。ピンの数や性能、大きさなど、いろんなバリエーションで派生製品が存在します。

mbed(エンベッド/エムベッド)

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こちらもArduinoと同様にマイコンボードとIDEのセットです。Arduinoとの違いとして、IDEがWeb上にある、つまりWebブラウザで開発するというスタイルになります。 とても小さいのに、I/Oがたくさんついています。アナログ入力もPWM出力もたくさん。イーサネットもつけられます。お値段も高くなく、個人的にはなぜArduinoに比べてあまり売れてないところが不思議であります。とっつきにくかったのでしょうか。

Raspberry Pi(ラズベリーパイ)

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マイコンボードと言いながら、正確にはパソコンです。イーサネットやUSBの他に、HDMI、音声出力などのインターフェースが載ってます。まさにパソコン。OSは各種Linuxが用意されています。インターフェースや性能によっていくつかタイプがありますので、購入時は注意が必要です。CPUは700MHz、メモリは512MBなので10年前のパソコン並の性能ですね。これで価格が$35なのですから、いったいどういう勘定なのか。2013年10月31日までに、累計200万台販売されたとのことです。

Tessel(テッセル)

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大きな特徴は、JavaScriptで開発できるマイコンボードであるところです。ついにデバイスの開発もスクリプト言語でできるようになってしまいました。ラピッドプロトタイピングこれでさらに簡単になったと言えるでしょう。またWi-Fiモジュールが搭載されていて、簡単にネットに接続できるところも売りポイントですね。

Edison(エジソン)

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こちらはインテルが2014年10月に発売した超小型&高性能なコンピュータです。500MHzのデュアルコアCPU、1GBのメモリ、4GBのストレージ、40個のGPIO、そして無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n 2.4GHz/5GHz)が載っています。全部盛りって感じです。なによりそのサイズ。ほぼSDカード並。あまりの小ささゆえ、IOが底部のコネクタに集約されており、単体では扱いが難しいほどです。なので、通常は専用の基板を別で用意するのがよいでしょう。Edison用の基板は、intel以外にもサードパーティから販売されていますが、今後バリエーションが増えるのではないかと思われます。

シェア比較

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Googleトレンドで見ると、ArduinoとRaspberry Piの2強ですね。どちらも全世界で広く使われています。

mbedは日本が圧倒的に多いですね。なぜでしょうか?

intel Edisonはアメリカと日本だけです。発売されたばっかりですしね。

Arduinoなのか、Raspberry Piなのか、どちらを選択するか迷ってらっしゃる型も多いのではないでしょうか。 どちらも大変優れたプロダクトではありますが、他製品も含め、さらりと解説します。

何が違うのか

特にシェアの大きいArduinoとRaspberry Pi。ハードウェアの違いとしてRaspberry PiはイーサネットアダプタやHDMIなどの接続インタフェースが多くあります。 Arduinoもイーサネットシールドなどを利用すればネットワーク接続できますので、 どちらも「できること」を比較すれば、そんなに変わらないといえば変わらないのですが、

ただ、どちらのほうがより簡単にできるのかという視点であれば、ネットワークにつながるモノを作るならRaspberry Pi。ネットワークに繋げないならArduino。ということでもいいかもしれません。

ちなみに、intel EdisonはWiFiが搭載されていますから、さらにネットワーク性が高いです。 自作でWiFiアクセスポイントを作ることだってできるわけです。今後の販売数に期待ですね。

ちなみに

弊社ではZUGYUUUN!というラピッドプロトタイピングツールを提供しています。こちらはRaspberry Piを利用してインターネット経由でのデバイス制御を主眼にしたプロダクトですが、上記のようなRaspberry Pi以外のハードウェアでも今後対応することを計画しています。

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